2015年8月18日火曜日

中医学の世界、薬膳の世界

 薬膳について学ぶことは、ほとんど中医学を学ぶことと同じだとDr.BAOは思います。

 中医学は中国伝統医薬学の略称。薬膳とは、それを基礎として組み立てられた料理のことで、健康を維持し、病気を予防する目的をもったもので、中医学の大切な一分野となっているのです。

 中医学は、診療する際に、その対象となる個体(我々の場合は犬・猫が主体の家庭動物)のことをいろいろな角度から四診(望診・聞診・問診・切診)を通して、診尽くして弁証をし、「証(診断名)」にたどり着き、論治(弁証に従い、証に応じた適切な治療)を行うという作業の中で、西洋医学のような"診断名"を明らかにするということにはこだわらず、「証」に応じた治療をするという、経験と実践の医学なのだということなのです。

 我々が日常行っています西洋獣医学においては、とりもなおさず、どんな病気であるか、診断名は? ということに力点が置かれています。それをもとに治療方針を立てるわけです。診断が違えば、当然治療も異なります。

 一方中医学は、その個体の体質や個体を取りまく環境的な要因も考慮して、たどり着いた「証」に基づいて論治するので、西洋医学的な診断が同じでも、治療が違う可能性があり、西洋医学的な診断が違うものでも「証」が同じなら治療が同じ場合もあり得るのです。

 事ほどさように弁証論治は中医学の核なのです。

 当然のことながら、薬膳の処方にも弁証で導かれた「証」が根本になります。

 
 食材や中薬のもつ効能というのも大事ですが、身体を温める効果の食材を寒い時期に使用するのは一般には良いのですが、熱がこもった体質の個体が摂取すると病状がかえって悪化することもあるのです。

 
 ということで、薬膳というのは、なんとなく効果がありそうな食材で作った料理、というのではないことを分かっていただけたかと思います。

 一般の方は中医師でも中獣医師でもないですから、薬膳を作るな、ということではありません。
 が、一応薬膳というものは、そういった中医学の診断に基づいて処方されるべきものだということを念頭に置いておいていただきたいのです。

 最初っからめんどくさいなぁと思われるような内容で恐縮ですが、私もそうだったのですが、中医学というのは、入り口はすごくややこしくて、もう帰ろうかなと思うもののそのまま進むと、突然ぱっと視界が広がるところに出るものなのです。少なくとも私はそうでした笑

 もひとつ薬膳を学ぶ上でのメリットは、人にも役立つということですね。本来そっち目的の学問ですから、動物にも役立つと言った方が正しいのでしょうけれど笑
 Dr.BAOも日頃口にしていたものを全く新しい観点で見て、食べていることが最近多いですね。
 (例)Dr.BAO「きゅうりかぁ。(ポリポリ)これって、清熱類だったよなぁ。(ポリポリ) 清熱瀉火類だったか。(ポリポリ) 五気は涼性?うんうん。六味は、、、えーと、甘味! (ポリポリ)、帰経、、、うーんうーん(ンガクク)(≧_≦)」

 季節の旬のものを食べることが健康に繋がるみたいなことは薬膳でも言われています。というか薬膳の考えでそう言われ始めたのかもしれないことが満載です。

 少しずつ、ご一緒に勉強していきましょう\(^_^)/\▼・ェ・▼/\=^_^=/




 


 

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